営業表示

営業表示冒用

事例

 当社は学習塾を経営しており、当塾の指導方針や合格実績をふまえた10行ほどの宣伝文を工夫して作り、パンフレットやホームページに記載しています。
 ところが先日、隣の区にできた学習塾が、当社の宣伝文を実績表示までそのままホームページに載せて勧誘をしていることが分かりました。塾生からも何か関係がある塾なのか等の質問があり、早目になんとか対策を取りたいのですが。

 

1.著作権侵害

 著作権で保護される著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものですが、創作の著しい独創性までは要求されません。著作者の個性が何らかの形で表れていれば足りるとされており、営業表示でも内容によっては当然著作物となる場合があり、その冒用は著作権侵害に該当します。

 

2.独占禁止法違反

 独占禁止法は、ぎまん的顧客誘引行為、すなわち「供給する商品、役務の内容、取引条件等取引に関する事項について、実際のもの又は競争者のものよりも著しく優良であると誤認させることにより、顧客を自己と取引するよう不当に誘引すること」を、不公正な取引方法として禁止しています。
 顧客の適正な選択を歪めてまで取引するよう誘引する行為は、競争秩序を歪曲する行為であり、不公正な取引方法とされています。学習塾の合格実績も、役務の内容に関する事項として上記規制の対象になります。

 

3.景品表示法違反

 独占禁止法同様、景品表示法も「商品又は役務の品質、規格等の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示で、不当に顧客を誘引し合理的な選択を阻害するおそれがあるもの」を優良誤認表示として禁止しています。

 

4.対処法

 学習塾の簡単な宣伝文でも、工夫した内容とのことですので、著作権の保護対象になり、その冒用は著作権侵害に該当します。また、合格実績までそのまま冒用しているとのことで、かかる明らかに虚偽の実績の表示は、ぎまん的顧客誘引として独占禁止法及び景品表示法違反にあたります。
 そこで、これらの法律違反を根拠に、不正な冒用表示のHPからの削除を求める差止請求を申立て、塾生を奪われたなど実際の損害が生じれば損害賠償も請求していくべき事案です。
 但し、差止請求のためには法的問題を含む複数の要件を満たすことが必要ですし、損害額の算定等、他にも難しい法律問題がありますので、経験豊富な当所弁護士に早目にご相談ください。

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